西内に謝る。鹿谷のミス(誰ソ彼3日目)

5/31鹿谷弥生誰ソ彼3日目


山崎の前でわけわかんなくなった翌日・・・



朝一で西内裕美の撮影会へ。前日の失礼を謝罪。

私「昨日はごめんね。僕おかしかったでしょ?」

西内「私と一度も目を合わせなかったですよね」

私「すみません。僕昨日の記憶ないんです」

西内「そうですか。山崎さんですからね」

私「…すみません」


その後鹿谷の舞台「誰ソ彼」3日目。唯一の昼夜2回公演。

この日はファンタスターの美華さんと、恒岡志乃さんが見に来ていました。と言っても二人とも面識はないので、見かけたとき多分そうだろうな?と思っただけでしたが。


昼公演は良くまとまっていた印象。多少演出が変わって来たかんじ。鹿谷も安定。昼のアフタートークは司会のピースが欠席で、役者が全員出て来て自分達で進行。あるとき鹿谷がみんなに責められる場面が。
「何にも考えないで役をやってるのか!」
と(笑)
確かに鹿谷は演技だか地だか分からないような役ですからね。

ですが、実はそうではなかったことが夜公演で明らかになったんです。

夜公演の鹿谷はかなりダメダメでした。初の2回公演で気力が尽きたのか、中休みに休みすぎたのか。重要なセリフを忘れたりしてました。私が気付いただけでも2回。

一つは赤い風船の物語の後半。遠い国の王子に手紙が届いた辺りで沈黙

「……あれ?忘れちゃった。…えへへへへ」

「そう言われても困るよ…」

この返事はアドリブじゃなくて相手の役者さんの本音でしょうね。

で、またしばらく沈黙の後に、突然

「そして第26次世界大戦が始まって、世界は終わっちゃうの」

と無理矢理落ちに。初見の人には意味が分からなかったでしょうね。でも鹿谷の役柄が、いかにも「忘れちゃった」って言いそうな天然の子なので、案外そういう脚本だと思ってくれたかもしれません。私の目には鹿谷が「忘れちゃった」を素の自分ではなく、演技として発言していたように見えました。私の思い違いか、鹿谷の機転か。どっちでしょうか?

このミスの後も同じシーンが続きます。つまり鹿谷はずっと出たままです。私はさっきのミスを気にして落ち込んでいるんじゃないかと思ってずっと鹿谷の顔を見ていました。ですが、鹿谷は全然気にしていないようです。暗い顔など一瞬も見せず、ずっとニコニコしています。鹿谷は神経太いなと感心しつつ、多少あきれつつという感じでした。


もう一つ大きなミスは、落ち込んだ主人公を励ました後の重要な一言

「そうだ、オーディションがあるんだよ」

これをなぜか
「ライブがあるんだよ」
と発言。微妙な間があいた後に
「あ、間違えた。ライブじゃなくてオーディションだった」
と正直に告白。これも一応役として発言していますが、これは明らかに全員が間違いに気付いたでしょう。先ほどの赤い風船の場面とは違い、天然キャラの笑いとかが一切不要な真剣な場面でしたから。

この場面は、遠くて見づらい上に、すぐに暗転してしまうので、鹿谷の表情まではよく分からず。

他にミスがあったかは私には分かりませんが、若干の違和感を持ったりしたので、細かいところでは色々あったのかも知れません。

その後の急転回で鹿谷は天然キャラなど忘れたようにシリアスな演技が続き、そのまま終演。カーテンコールで役者陣が出て来ます。


鹿谷、すごい顔をしていました。怒っているような、今にも泣き出しそうな。複雑な顔です。それまでの3回の公演では、お客さんに手を振ったり、最高の笑顔で舞台を去っていましたが、この時だけは誰にも目を合わさないで下を向いて速足で去って行った印象でした。

それを見てやっと気付きました。ミスをした後全然落ち込んで見えなかったのは、ニコニコ天然ちゃんをきちんと演じきっていたからなんだと。カーテンコールだけは鹿谷弥生として、悔しい顔を見せたんだなと。鹿谷と役柄のイメージがわりと近いために混同しがちでしたが、鹿谷は本気で演技をしていたんだなと。なんだか妙に感動しました。

鹿谷って今回の役柄の子のように、いつもニコニコしています。タレントがお客さんに愛想笑いするというだけではなく、本当にいつもニコニコしています。そんな鹿谷の本気で悔しがる表情を見られたのは本当に貴重な経験でした。


…長い!