チームにおけるあなたの役割とは?

このイベントのエンディングは、「チームにおけるあなたの役割とは?」ということを参加者各自が考えて、これも座席に用意されていた小さいカードに書き込み、それをまとめてボードに張り出すという企画。「この1時間、団体スポーツというものを勉強して、チームワークの大切さに気付いていただけたのではないでしょうか?」と司会のお2人。確かにVTRは良くできていましたし、団体スポーツを語る山崎の話もとても心に響きました。ですが、自分の役割を考えるとなると、これは難しいですね。

なので、書くことを考えつつ山崎を眺めていたら、山崎は特にすることもなく座って待っていました。山崎はカードを書くわけではないですし、司会の2人も今は参加者が書くのを見守っている状態ですから、この時間山崎は暇にしていたわけです。

そこで突然いたずら心がわいてきました。たまたま手元を見ると、役割を書くカードが2枚あったんです。スタッフの配り間違いで、私のところにだけカードが2枚おいてあったようです。そのカードと鉛筆を山崎に渡したら、山崎も参加できて楽しいのではないかなと思ったんです。一応ほぼ最前列ですし、頑張ってアピールすれば渡せないこともないな。でもこの大人数の中でそんなことをする勇気もないな、などと、妄想しているうちに時間は過ぎ・・・自分のカードには何も書いていない状態。

そういえば山崎の書いた自分の役割ってこのイベントのパンフレットにあったよなと思いだし、パンフレットを見ると、確かにきちんと掲載されていました。これではカードを渡す意味がないなと、妄想終了。すると、

司会「山崎さんには事前に自分の役割を書いていただいたんですよね?」

山崎「え?・・・・(戸惑い)」

この場面は打ち合わせになかったのか、ただ単に山崎が自分の書いたことを忘れてしまったのか、それは分かりませんがわずかな時間の沈黙が。そのとき山崎は手に何も持っていなかったので、その準備はしていなかったのかもしれません(まあ事前に回答はしているわけですが、それはずっと前の準備段階での話ですからね)

そのときなぜか私の頭の中で「山崎にカードを渡す妄想」と「今手に持って見ているパンフレットに書かれている山崎の”役割”」が直結。短絡的に「これを渡せば山崎の役に立つじゃないか」と思ってしまいました。とはいえ、ここで突然ステージに上がってしまったらただの危険人物です。座席に座ったまま山崎にパンフレットを振って見せて、山崎がそれに気付いて取りに来てくれたのでパンフレットを渡しました。普段ぼーっとしている私ですが、妄想力が偶然役に立った稀なケースですね。

そしてトーク再開。したのですが、山崎がパンフレットを見ながら「どこにそんなこと書いてあるんですか?」みたいにきょろきょろ。私は自分が見ていたページを開いたまま山崎に渡したので、迷うはずがないんですけどね。やっと自分の”役割”を発見した後は、「こんな事書いてたんですか」みたいな反応。やっぱり忘れていたんでしょうか・・

ちょっとばたばたしましたが、山崎がパンフレットを見ながらペースを取り戻し、チームプレイにおける自分の役割について、しっかりとしたいいことをしゃべっていました。・・・という記憶だけがあります。私もばたばたしていたのであんまり覚えていません・・・なので後でパンフレットを確認します。

このあたりの記憶が薄い理由がもう一つ。このトークを聞きながら、実は私は別のことを考えていました。それは、「ちゃんとパンフレットを返してもらわないとまずい」ということです。このパンフレットは山崎が自分の役割を書いたボードを持っている写真と、その内容に関するコメントが掲載されている、他では絶対に手に入らない本当に貴重なパンフレットだからです。その貴重な1冊を、さっき山崎に渡してしまったものの、そのままあきらめるわけにはいかないので、渡したものを返してもらうか、別のところからとにかく1冊は手に入れないといけないなと考えていました。

山崎の自分の役割に関するいい話が終わり、イベントの締めくくりへ。そのときステージ下にいた女性スタッフさんが、山崎に手振りで、パンフレットを彼女に渡すように促します。確かにもう使わないので手に持っていてもじゃまなだけですからね。その瞬間私が思ったのは、「よし。これでパンフレットを返してもらえるぞ」でした(笑)

山崎は最初女性にパンフレットを渡そうとしたのですが、ちょっと考えて、直接私の所に返しに来てくれました。その時は急な出来事でそこまで気が回りませんでしたが、今考えてみると、自分が借りたものを人づてに返すのではなく、自分で直接返そうと考えてくれたのではないかと思います。小さなことですが山崎の繊細な心遣いが分かりますね。私はパンフレットを渡すときも受け取るときも、結局一言もしゃべっていませんが、ほんの小さな交流ができたような気がしてとても嬉しい気持ちになりました。過去の握手会などでは山崎と話をできることが前提ですから、話をできることそのものの喜びよりも、話が上手にできなかったことへの後悔が先に立ってしまいました。ですが、最初から話すことも近づくこともできないとあきらめていた今回のイベントでは、こんな小さな出来事でもとても価値があるように思えるものなんですね。そうであるなら、本当は握手会で山崎と話ができる幸せをもっともっとしっかりと噛み締めないといけないのでしょうね。